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留袖にまつわる母と娘の愛情のこもった体験談をご紹介する留袖レンタル物語をご紹介いたします

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私の留袖レンタル物語

第14回|忍耐強くて愛される女性に育った自慢の娘

廣井 里恵さん【54歳・パート・岐阜県】

留袖はレンタルにして少しでも娘にお金を残してあげたい!

 私は岐阜県岐阜市で生まれ育ちました。
短大を出てすぐに2歳上で一部上場企業勤務の夫と恋愛結婚し、夫は婿養子に入ってくれて実家で同居しています。夫は我が家から名古屋市まで長距離で通勤し、仕事も忙しく、朝は6時に出て帰りは深夜12時です。

 二人の娘を授かりましたが、夫の育児サポートはなく、祖父母の協力を得て育てました。こういってはなんですが、比較的恵まれた環境だったと思います。
 海外在住の上の娘は自由奔放にしすぎて育て方に失敗した思いですが(笑)、結婚した下の娘は思いやりがあり、頭も良くてかわいい子です。

 その次女が結婚するとなったときは本当に嬉しく思いましたが、同時に一抹の寂しさも覚えました。
 お相手は一流企業の若手サラリーマン。結婚式は神前式といわれたときは驚きましたが、リベラルな思想をもつ娘らしいと思いました。次女は国立大学に進学してくれて学費もかからず、その意味でも親孝行娘でした。大学卒業後は半年留学し、留学先で出会った同い年の方との恋愛結婚です。

 子供はつくらないで共働きと決めているようですが、本当は東京にこだわらずに岐阜に帰ってきてほしいです。18歳で次女が家を出てしまってから、寂しくて仕方ありません。
 旦那さんがまだ彼氏だったころ、大阪に転勤になり、その時は本人も頻繁に大阪にいったり実家に帰ってきたりしていました。
 岐阜で就職してくれたらいいのにと願っていたのですが、叶いませんでした。ほんとうに寂しいです。

 結婚式用の留袖はレンタルでした。結婚式の準備の過程で私も東京に出ていき一緒に選びました。パートの休みを縫ってともに上京し、留袖を選びました。
 留袖レンタルはリーズナブルでしたし、見栄えもよく本当に満足しました。私は娘が二人なので購入しても良かったのですが、もともと私自身が一人っ子で親戚づきあいもほとんどなく、あまり着る機会がないと思ったのです。
 それならばレンタルにして、少しでも娘のために資産を残してあげたい、そう思いました(笑)。

 うちの夫は婿養子ですが、娘二人には婿養子は取ってもらうつもりもないので家紋へのこだわりもありません。着物の知識はほとんどなかったのですが、レンタル店さんにいろいろ聞いて、花嫁の母としての勉強をしっかり行いました。
 知識や所作へのアドバイスもしてくれるのがほんとうにありがたかったです。
 そして式では娘のために恥ずかしくない挨拶をするようにがんばりました。

都会で神前結婚式を挙げた娘は良い選択をしたと思います

 岐阜は田舎ですので、結婚式はしっかりあげるという風習が根付いています。娘は進歩的な考えなのと、東京に友達が多くいるという理由もあって東京・青山で結婚式を挙げましたが、岐阜でやってくれてもよかったのになと思います。
 お相手の方は東京出身で、結納もしっかりと交わしてくれました。

 中部地方は派手な結婚式をするというイメージがありますが、それは名古屋です。岐阜は少々文化が違います。
 どちらかというと保守的な文化だと思います。ですがその伝統にとらわれず、都会で神前式をあげた娘は良い選択をしたと思います。

 優しい子ですので幸せになれると思います。相手の方が挨拶に訪れた際も、私達夫婦で歓迎しました。子供はいなくても、幸せに暮らしてくれればそれでいいです。

 何より私は娘が可愛くて仕方がないんです(笑)。がんばって国立大学に入った娘、英語が得意な娘、おじいちゃん、おばあちゃん思いの娘、ほんとうにいとしいです。

 どこにいっても友達ができるその素敵な個性を活かして、楽しい人生を歩んでほしいです。夫婦は一蓮托生。なにがあっても支え合ってください。

 幼いころから聞き分けがよく、ぐれることもなくイイコに育ってくれた次女。
 長女があまりに奔放なので(笑)、我慢していることも多かったと思います。忍耐強くて愛される女性に育ってくれたと思います。次女の話を聞いていると、どうもキャリア志向のようなので、仕事で成功してほしいです。ですが東京は競争も激しいので心配です。疲れたらいつでも帰ってこれるような実家を守りたいです。

 私達夫婦は主人もそろそろ定年が近づいて、老後のスタートですが、いつまでも娘の幸せを祈っています。

留袖レンタル物語の目次(全47回)